「ゟ」成り立ち


最終更新: 令和5年2月18日

 

【ゟ】 

「より」と読みます。「より」の合略仮名です (落合 1894)。

 

図1:「より」の成り立ち

 

 

解説


 1582年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34159950?dispid=disp04>

 1449年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34076315?dispid=disp04>

 1492年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34077146?dispid=disp04>

 1569年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34146110?dispid=disp04>

 

 上の字は「より」の続け書きです。一字一字が読み取れるので、合略仮名ではなく続け書き (連綿れんめん) と呼ぶべきでしょう。

 1569年のものは筆順が変り、「よ」の点を最後に書いています。

 

 1574年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34100019?dispid=disp04>

 1593年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34386053?dispid=disp04>

 1638年 <https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w34/detail/34245066?dispid=disp04>

 1682年 <http://codh.rois.ac.jp/char-shape/app/icv-kuzushiji/?manifest=http://codh.rois.ac.jp/char-shape/book/200003076/manifest.json&pos=306&lang=ja>

 

 上の字は「より」の合略仮名です。二つの字が連なって一つの字のようになっています。時代が進むにつれ、右へ傾いていったようです。

 

 1878-1879年 <https://dl.ndl.go.jp/pid/883944/1/3>

 

 上の字は「より」の合略仮名です。平仮名であるはずの「より」に、さらに平仮名で読みが振られています。同じような現象は「さま」「まいらせ候」にも見られます。

 

 1887年 <https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/877881/10>

 1889年 <https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856615/11>

 1897年 <https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/888936/74>

 

 上の字は活字の平仮名の「より」です。

 

 上の字は戸籍統一文字の平仮名です。

 

 上の字は Unicode の平仮名です。

 

 

参考文献


 落合直文 (1894)『日本大文典: 第一編』博文館, <https://dl.ndl.go.jp/pid/864050/1/30>.

 

 

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